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第12話

2019
05-05
幸いソフィアの怪我は軽く、数日の入院で済むようなものだった。


とはいえ心配なので病院へ迎えに出た

「元気そうですね」

「ええ。もう大丈夫よ。わざわざお迎えに来てくれたのかしら?」

「まあ、そんなところです。」

ソフィアは少しうれしそうに

「ありがとう。今までこんなことなかったから素直にうれしいわ。」

「あっ、もし時間あるならこの間のお礼もあるし、一緒にどうかしら?」


「そんな、悪いですよ~!」

「遠慮しないの。さっ、行きましょう」



言われるがままに連れて来られたのは大型スーパーのようなところだった。

「ここって・・・」

「これからお買い物するの。何か食べたいものはある?」

「も、もしかしてこの後ソフィアさんのお家に行く感じですか?」

「そうだけど・・・・何か都合悪いかしら??」

「いいいいいんですか?そんな簡単にあげちゃって?」

「もう・・・誰でも簡単に上げるわけじゃないわよ。貴方だから・・・」

「え?」

「もうっ。それで、好きなものとかあるかしら?」



店からだいたい10分ほど歩いたところで彼女の家に着いた。

少し古めかしい外観だが中は綺麗、

そして彼女の部屋も想像通り?とても綺麗だった。

悪く言えば殺風景とも言えるが、特に違和感を感じるようなものはなかった。


「もうっ、そんなジロジロ見ないの!一人暮らしの女性のお部屋なんだから」

「あ、ごめんなさい・・」

「そこに座って待っててくれるかしら?すぐ作っちゃうから」


たくさんの本が並ぶのが目に付く。

彼女はとても頭脳明晰で仕事も非常にできるゆえ
料理もここにある本すべてのレシピが頭に入っていそうだ。


小1時間ほどで料理が出てくる。

・・・・・びっくりするくらいおいしい。

あまりのおいしさにあっという間に平らげてしまった。

「うふふ。感想は・・・言わなくても十分伝わったわよ?」

えへへと照れるしかなかった。



片づけを終えてソフィアさんがまた向かいに座る。

「なんだか質素なお礼になっちゃったかな?」

「いえ、とってもよかったです。」

「そ、そう・・・あ、貴方さえ良ければまたいつでも来ていいのよ?」


・・・・何かここ最近彼女の様子がおかしい。

おかしいというのは失礼だけど今までと違う。

ここはいい機会だから聞いてみようかな。。


「僕が来てから1年、ソフィアさんと一緒に仕事するのは半年くらい経ちますね」

「・・・もうそんなに経つのかしら。早いわねえ。」

「ははっ。いろいろありましたもんねえ。。」

「ふふ。本当に貴方には言葉に表せないくらい感謝してるわ。」

「いえ、仕事ですから。」


ソフィアは少しうつむいて

「仕事・・・・・か」

しまった、言葉のチョイス間違えたか。

「ねえ、仕事じゃなかったら私と一緒にいたり、助けてくれたりってしてもらえないのかな?」

わかりやすくソフィアさんのトーンが低い。

しかしすぐに首を振って

「はぁ・・私ってめんどくさい女ね。本当嫌になるわ。ごめんなさい、忘れて頂戴・・・」


「そんなことないですよ。」

「えっ・・・?」

「僕はソフィアさんのそういうところ好きです。わかりやすくって」

ソフィアは少し遠い目をしながら

「そうなんだ・・・私は貴方のことが、貴方の思ってることがわからない・・・」

またまずいこといったか。。彼女は完全に下を向いてしまった。

「ごめんなさい、どうしたらいいか・・・わからなくて・・・それで・・・」

痺れを切らして彼女の言葉を遮るように

「いえ、僕の態度がわかりにくい、ってことですよね?だったらおかしいのは僕です。」

「え・・・・そんな・・・・貴方は悪くないわ・・・私が・・・」


「・・・・好きです」

「え・・・・・・・・・・・」

「ソフィアさんのことが好きです。」

「・・・・・・・・・・・・・」

「いや違うな・・・好き過ぎていっつも貴方のことで頭が一杯です、って感じです。」

ソフィアはあまりの衝撃に顔を真っ赤にして口を抑えていたが
しばらくすると感情が高ぶったのか泣き出してしまったようだ。

「ご、ごめんなさい・・・本当、夢じゃないんだなって思ったら・・・・」
「本当に嬉しいと涙が出るって本当なのね・・・」

僕はすっと立ち上がって泣きじゃくる彼女をそっと抱きしめた。

「以前私を背負ってくれたことがあったでしょう?」

「怪我のときですか??」

「ええ。また貴方にこんな風に触れ合えたらいいなって思ってたの。」

「よかったですね、早くかなって。」

「本当に・・・夢みたい。ねえ、いつから私のことを?」

「う~ん・・・・・わからないです笑」

「もうっ・・・・貴方らしいわね」

「気づいたら好きになってたって感じですね、そういうソフィアさんはどうなんですか??」

「私も・・・・・貴方と一緒に過ごす内にどんどん惹かれていったわ。」

「だからあんなにいろいろカマかけてたんですね?」


「もうっ。。。本当にどうしたらいいかわからなかったのよ。ただ・・・」

「ただ?」

「貴方を誰かに取られたくない一心で・・・・・」

「もう・・・・可愛すぎて反則ですよそれ」

「うそ・・・こんなおばさんがそんなこと言うのって変じゃないのかな?」

「ソフィアさんは特別ですよ笑」

「まあ・・・貴方の特別になれてとても光栄だわ」


ひとつ重要なことを忘れていた。


「僕らが付き合うこと、所長に報告したほうがいいかな?」


「え?ええ・・・・そうね」

「ん?どうしたんですか??」

「実は・・・貴方に思いを寄せてること、もう知ってるのよ。以前相談させてもらったの。」

「ええ!?だから一緒に仕事とかも・・・なんだぁ・・・」


「うふふ。直接お願いしたわけじゃなくてなんとなく察してくれて。。。」


「わかりやすいからですよ笑」


「そうね。だから報告も堂々とすればいいのよっ笑」


その後、二人でいろんな話をして気づくと夜も更けていた。



「あ、そろそろ帰りますね」

「う、うん。気をつけて。。。」

「それじゃまた職場で」

「ええ。おやすみなさい。」



今度は泊まる準備を・・・なんて言葉が漏れそうだったがぐっとこらえて彼女の家を後にした。
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