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第11話

2019
05-05
「ソフィアさん!大丈夫ですか?!」

遠くから彼の声が聞こえる・・・・

「・・・私・・・どうしたのかしら・・・」

「ソフィアさん・・・」

心配そうに見つめる彼の顔がうっすらと見えてくる

「はっ・・・うっ!!ぐ・・・」

起き上がった瞬間、体に激しい痛みが走る。

「だ、大丈夫ですか!」

「う・・・うん・・・平気よ。ちょっとやられちゃっただけ・・だから・・・」

わかりやすく心配かけないようにしているのがすぐわかった。
その証拠にたつことすらままならない。

「もう・・・とりあえずこのまま病院つれていきますから!」

「ごめんなさい・・・・私・・・足引っ張ってばかりね・・・」

少ししおらしい表情に萌えてしまったが今はそんなことしてる場合ではない。

「じゃ、行きますよ!」

「え・・・病院って、車か何かで行くんじゃないの?!」

ソフィアは面食らったような顔で問いかける。

「そんなの待ってられないですよ!歩いても1キロくらい、僕が背負って行きます!」

背負おうとする彼をソフィアは必死で拒む

「だ、駄目よっ!」

「ど、どうしてです??」

「り、理由なんてないけど・・と、とにかく私を背負わないで!」

そうも言ってられないので拒むソフィアを無視し
彼女を背中に乗せた時、なんとなくだけど理由がわかった気がした。

「(結構・・・ていうか想像してたよりかなり重いな)」
それより両手がちょうど太ももをつかむような形になるところで
あまりのやわらかさ、太さに自制心を保つのがつらかった。

背負ってる側にはわからなかったが彼女は顔を真っ赤にしていたようだ。

「ああ・・もう・・・最悪・・・」

「何が最悪なんですか??」

「・・・貴方って性格悪いのね。もうわかってるくせに私の口から言わせるの?」

「ははは!ごめんなさい。でもそんなに気にしなくても大丈夫ですよ」

「貴方が気にしなくても私は気にするのよ。もう・・・・ねえ・・・・重い?」

「いえ・・・最初はあれ?って思いましたけど笑」

「やっぱり思ったんじゃない・・・・はぁ・・・・」

想像以上に落ち込んでるなあと思いつつもあえて何も答えないことにした。

「ねえ・・・痩せてる女性のほうが好き?」

急な展開に少しバランスを崩しそうになる。

「え・・?う~ん、そんなことないですよ。そこまで体型は気にしませんし」

「そ、そうなんだ。答えられる範囲でいいけど今までお付き合いしてきた女性はどんな感じなの?」

話の方向がよくわからないなあと思いつつも

「バラバラですかねえ。普通の体型だったんじゃないかな」

「そ、そう・・・・無意識のうちにそういう女性選んでるのかもしれないわね。」

なんか煮え切らない感じの質問ばかりされるのでストレートに返そうと決めた。

「あの・・・ソフィアさんは太ってると思いませんし、さっきも言ったように気にしなくていいですよ。私は好きです」

ソフィアは驚いたように返す

「えっ・・・そ、そういうつもりで聞いたわけじゃないのよ。た、ただ、その・・・・・」

薄々気づいてはいたけど好意を向けられているとこの瞬間はっきりわかった。
自分自身もいいなとは思っているから少しにやけそうになるのを我慢するのが大変だったが・・

それにしても一回り近く上なのに恋愛経験の少ない学生みたいな感じ・・・
普通ならいい年して・・と思うんだけどあれだけ大人っぽい人がああなるとただただかわいらしくて仕方なかった。

同僚から聞くに手術後の10年少々は施設での生活で
非常に味気ないものだったとか。彼女は女性として一番旬の時期をそんなとこで過ごしたせいもあって
恋愛経験なんて皆無に等しいんじゃないかと。

こんなに綺麗なのに。

話は宙に浮いたまま終わってしまった。
ソフィアは、顔を背中につけるようにして黙っている。

信頼してくれたのかな?と少し安心した。

ソフィアもソフィアでこの1件は悪いことばかりではなかったようだ。

「(あったかい・・・男の人とこんな風に触れ合うのっていつぶりかなぁ・・・)」
「(ずっとこのままこうしていたい・・・・もっと病院が遠かったらよかったのに・・・・)」

「着きましたよ。ここからは肩を貸しますから受付まで一緒に行きましょう」

「え・・・う、うん。」

顔を赤らめてうっとりとした表情の彼女を見て思わず

「ど、どうしたんです?!」

「い、いえ・・・・・ちょっと体調が悪いのかな・・・」


「そ、それはいけない! は、早く行きましょう!」

受付へ急ごうとした瞬間、ちょうど胸のところにあるソフィアの手に力が入る。

「どうしたんですか?なにか・・?」

「ごめんなさい・・・なんでもないの。」



少し言葉を選びながらそっと声をかけた、

「今日はずっと付き添いますから、安心してください。」

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